jou日記

コンテンポラリー・ダンサー、振付家JOUの日記です。。。Odorujouダンスパフォーマンス日記

日本のダンサー生活

先日、海外在住アーティストの話を聞こう会(6/3)に
出席された方は多少お分かりになられたかと思いますが
芸術先進国といえる国では、プロのアーティストっつうものが
存在出来るようなシステムがあります。

日本のダンス事情を考察するに
江戸時代からの市民の習い事やら徒弟制度などやら
古くからの風習の影響もあってか、
ダンスで食べて行く=教えで食べている
というのが現状ではないかと
思われます。

カンパニーと契約書を結び、
年間でサラリーをもらい、
踊る

ということができるためには、
どうしたって行政からのカンパニー支援がなければ
経営的に難しい。

興行として、業界が成り立ってないからです。

作品を作る為の場所代、人件費、制作費、それに加わる人々の生活費
などときちんと支払い、完成後にその作品が興行的に収入を生むということが
できないからです。

観客が少ない、作品を買ってくれる劇場がない、
創作に時間がかかりすぎるということが主な理由です。

基本的に、作品を見たいと欲している、
そういったダンスの存在をしっている人数が
極端に少ないから仕方ありません。

日本での主な情報源は学校教育か新聞、テレビ、雑誌。
そのどこにも露出していないのですから当たり前といえば当たり前かもしれませんね。

ところで、公演では収入にならなくても、
ダンスのクラスの先生なら、定期的に講師料を得ることができます。
ダンスで食べている人々の大半はそれで生計を立てているといえるのではないでしょうか。
大学などの先生、または巷のダンススタジオの先生のお仕事です。
英語的に言うと「プロのダンサー」ではなくて「プロのダンスの先生」
という違いがありますが
日本の現状としては
「プロのダンサー」=「プロのダンスの先生」
これは、決して当人達の資質の問題なんかじゃなくて
業界や国が持つシステムの問題じゃないかと思います。

ただし日本でも、
芸術系ではなく、商業系ダンスは逆に確実に賃金が保証されます。

商業ミュージカルや演劇、キャバレー、コマーシャル、商業イベント、TVや映画。
ディズニーランドのダンサーもその類いです。

ただ、こういった分野でのダンスはストリートダンスやジャズ系が主流です。瞬間パンチ力に欠けるコンテンポラリーダンスが求められることはあまりありません。もっとつながっていけたらお互いに面白いことになるのではと思いますが。。

私も、お芝居やイベントや映像などのお仕事は好きです。
いつでもウェルカムです。
監督や演出家から頂く、普段と全く違う視点からのオーダーで
ダンスを作るという面白さがいいです。


ただし、私の場合はフリーランスでの活動で、営業や広報が全くできていませんので、何事に置いてもなかなか難しいものがあります。

例えば、確実にお金になる、いわゆるメジャー系のお仕事の大半は
そちらの世界で営業をやってくれる所属事務所やマネージャーが
ついていないとなかなかお仕事は回ってきません。

コンテンポラリーダンスの世界では、複数のアーティストを抱えて営業してくれるエージェントはほとんどないです。業界で活躍しているダンサーの教えているクラスの生徒になって、弟子として踊り手としても人間としても、そこと信頼関係が生まれれば、その先生や振付家からアシスタントとしてお仕事が回って来ることはあるかもしれません。その先生のマネージャーさんがついでに面倒みてくれることもあるかもしれません。
そんな子弟関係のない、独りぼっちの人間が、蚊帳の外から見ている限りでは大体そんな印象を受けます。


他には、最近では、子どもの少子化に加えて、
高齢化、地方活性化などに取り組む行政が増えています。
そうした部分を豊かにする為の
ワークショップと称する短期集中型の体験クラス
といったプロジェクトがあちらこちらで起こり始めています。

そこには教育という名目で予算が十分に降りて来るので
ワークショップの講師で食べて行けている人々も
増えつつあります。

こちらも「先生」の一種には変わりませんが
社会的に存在が認められて来たことの現れとしては
うれしい現象です。

ワークショップ講師となった時に
何を教えて行けるのか
どれだけ自主性や創造性の種を植えられるのか
これは、実は今後の展開にとても重要なことです。

自分と言う「先生のスタイル」を踏襲させる
というワークショップばかりが普及してしまうと
結局は、再び従来の子弟制度的な風習に逆行してしまう危険性があります。

スタイルを習うことと創造性を養うことのバランスですね。


ダンサーも先生も、一般の人々、そして行政や企業の人々も
それぞれの立場で、創造的な活動ができるような世の中になると
いいなあと心から思います。

皆さん、がんばっていきましょう。
  1. 2008/06/16(月) 10:53:28|
  2. コンテンポラリーダンス
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コンテンポラリーダンス入門講座原稿

コンテンポラリーダンスを知らない日本のおじさまおばさま対象入門講座原稿です。専門的に記述漏れカンパニーは沢山ありますが、大枠でとらえ、なるべく把握し易くなるよう心がけました。
見ぶり手振り、踊り付きで上演致します。 
原稿執筆にあたり、ご指導くださった皆々様に深く御礼申し上げます。

初演:2008年6/1 鳥取大学 予定 
出演:松本大樹、JOU
音楽:松本充明
*************
01 A コンテンポラリーダンスって何? どんなダンス?

02 B 直訳すると「現代の」とか「今まさに起こっている」。つまり、今の時代に即した現在進行形の、新しいダンスです。大まかな歴史の流れとしては、バレエ、モダンダンス、そしてその先のダンスです。

03 A ふうん。バレエって、白いチュチュとか着て、王子様とか、お姫様とか、妖精みたいに踊るダンスでしょ?
→バレエの振り

04 B 最初のバレエは、16世紀に、イタリアで生まれた後、フランスを中心に、ヨーロッパの王族の余興として発展しました。日本の伝統芸能、歌舞伎も、400年の歴史ですが、歌舞伎は、王様のための余興ではなくて、江戸の庶民の余興でした。
→バレエ、歌舞伎

05 A へええ。歌舞伎とバレエの歴史が、同じくらい古い、ってすごいね。
→バレエの型と歌舞伎の型
でもじゃあ、モダンダンスって、バレエと、どう違うの?

06 B モダンダンスは、ざっくり言いますと、20世紀の始め頃生まれた、アンチバレエのダンスのことです。

07 A アンチバレエって?

08 B 例えば野球で、アンチ巨人とは、巨人ファンではない、むしろ巨人嫌いということですね。ですからアンチバレエとはつまり、長い歴史の中で作られた、バレエの厳密な動きのスタイルや、お姫様などの古典的な女性キャラ、といったことを否定したのです。そして、新しく、自分のスタイルで自由に踊り始めたのが、モダンダンスの始まりです。当時は時代的にも、王様の政治から、民衆が中心の時代へと変わっていったので、まさに、当時のコンテンポラリー=同時代的な、現在進行形のダンスだったのでしょう。

09 A それが、イザドラ・ダンカン!
→イサドラダンカンの振り

10 B アメリカ人のイザドラダンカンは、トウシューズを脱ぎ捨て、裸足で、自分流のダンスを始めた先駆者の1人。ですが、母国アメリカでは、今イチで、1900年に、ヨーロッパへ渡って、大成功しました。ダンカンの他にも、フレアーのドレスを効果的に使ったルイ・フラーなどがいました。
とにかく、ダンスと言えば、バレエか、宗教儀式や、お祭りで踊るような、民俗ダンスしかなかった時代に、自分なりの踊り、を成功させたってことは、当時としては、革新的なことと思われます。
→ルイ・フラーの振り

11 A ヨーロッパの民俗ダンスって、フラメンコとか、コザックとか、でしょう? 
(インドダンスやベリーダンスとか)
→フラメンコとか、コザックとか

12 B はい。モダンダンスは、アメリカ人以外でも、ヨーロッパ、オーストリーハンガリー帝国生まれのルドルフ・ラバンがいます。彼は画家を目指して、放浪し、感情と動きの関係や、舞踊譜=ラバノーテーション、などの研究をしました。後に作った舞踊の教育センターからは、優れた弟子達を育っています。このセンターが、後のロンドンのラバンセンターです。

13 A ちょっと知ってる。ラバンの空間分析って、面白いよね。彼が言うように、自分の身体を中心軸にして、前,横、後って、空間を区切って、幾何学的にイメージすると、同じ動いていても、感じが全然、違うよね。
例えばこうやって、ただやみくもに、腕で八の字回すのと、この動きは、斜め上のポイントから、斜め下のポイントを通過して、こっちの斜めのポイントへ移動する、とか意識しながら、動くのとさ。
→ラバンの空間分析ラバンキューブ20面体

14 B ダンカンは、自然から起こる感覚、感情、人間の内面から出る動きから踊りを作りました。ラバンは、感情と動きの関係を科学的に調査し、動きを分析し、踊りを外面から捉えようとしたのです。

15 A 内側からのアプローチと、外側からのアプローチと、それぞれ違うけど、どちらも、今までのバレエの、お決まりパターンから外れて、もっと生身の人間としての、心と身体の動き、というダンスが生まれていったのかな。

16 B はい。そして、ラバンやダンカンから刺激を受けて、新しい世代が育ちます。1930年代、ラバンの弟子、マリー・ウィグマンや、クルト・ヨースが、ドイツにダンス学校を作りました。

17 A ウィグマンは、魔女の踊りの人だ
→魔女の踊り

18 B ウィグマンの踊りは、ノイタンツと呼ばれ、内面の力強い衝動が表現されています。これには、第一次世界大戦の影響も反映されたと言われています。自分の強い感情が、動きになっていく、という点において、内面からのアプローチダンスの、第2世代といえます。そして、同じ頃、ルースセントデニスとテッドショーンは、二人でアメリカにダンス学校を作りました、かの有名なマーサグラハムが学んだ学校です。

19 A グラハムって、コントラクションと、リリースの人だね。グラハムはじゃあ、内面系モダンダンスの、第三世代と言えるのかな? ダンカン、ウィグマン、グラハム。
→グラハムテクニックの動き

20 B そういうくくり方も、ありますね。グラハムは、アメリカを拠点に、当時のモダンダンスの主流となりました。テクニックと、作品性と、両方において、当時の舞台芸術に大きな影響を、与えた人です。ただ、そうやって、グラハムのダンス=モダンダンスとなってしまうと、今度は、そこにはない、新しい動きも出て来るものです。彼らは、グラハム的世界観、ドラマチックな内面性から外れて、淡々とした日常的な動きを、踊りとしたりしたのです。
→ミニマリズムの動き

21 A ジャドソンチャーチっていう、NYのダウンタウンにある教会へは、行った事あるよ。今でもそこで、毎日いろんな人のオープンクラスをやったり、パフォーマンスをしたりてる。そうやって、発表したり、習ったりする拠点が継続的にあると、いろんな人が育っていけるよね。当時は、劇場の外の日常空間で踊るという試みが盛んで、教会という場所もそのひとつだったんだ。それから、身体に気持ち良い動き系、リリーステクニックもその頃から発展していった。
→リリースの動き

22 B 当時、もうひとつの流れで、バレエのテクニックを、機械的に踊る、ということも起こって来ます。

23 A マース・カニングハムだね。ジョン・ケイジの音楽とかで。ジョン・ケイジって、無音だって演奏だ、とかいって何も演奏しない音楽コンサートをしたりした人でしょ。そんな人の音でダンスを試みたなんて、すごいね。
→カンニングハムの動き

24 B カニングハムは、元々グラハムカンパニーで踊った後、独立しました。当時グラハム表現の主流であった、内面の感情や、物語性、を全く否定したこと、バレエのテクニックを情緒的ではなく機械的、無機的に踊らせたこと、などなどそれまでにない方向性を作り出した人です。

25 A うわあ〜もしかしてアンチグラハムってやつ? 後から出て来る人は、常に、前に活躍してる人のアンチを求めるのかなあ。

26 B 歴史というのは常に螺旋のように繰り返されると言われています。前の世代の誰かが始めたスタイルを、さらに工夫して、深めたり広めたりする人と、前にあるものの反動で、全く違うスタイルを探そうとする人と。グラハムを内面からのダンスとすれば、カニングハムは形、外からのアプローチによるダンスだし、時代的に、ドラマチックな世界観という作品傾向が強くなると、次は日常的な世界観みたいなものが出て来たりするのです。

27 A 何かひとつのスタイルが、すっごいパワーで広まりすぎると、必ず後でアンチ派が出て来て、自然にバランスを取ろうとしていくものなのかな?

28 B 60年代70年代になると、ついにはモダンダンスが、バレエ界に逆に影響を及ぼす程になってきます。
フランス人のモーリス・ベジャールは、哲学者の父を持ち、自分はバレエの世界に入り、1959年に「春の祭典」1960年に「ボレロ」を発表して、当時としては革新的な、現代バレエ、モダンバレエの世界を作り上げました。
→ボレロとか

29 A 去年、2007年だっけ? ニュースで訃報が流れていたね。80歳だったかな。1960年にベルギーの支援を受けて、「20世紀バレエ団」を作った人だって。

30 B 実は、ベジャールの20世紀バレエが始まった1年前、1959年に、オランダの国立バレエ団から、18人のダンサーが退団して、バレエの社会的な序列がない、全員横並びのダンサーカンパニーを目指してネザーランドダンスシアターを作っています。

31 A 知ってる。NDTって呼ばれてるよね。

32 B 彼らは、スタジオもスポンサーもない状態からスタートしたのです。

33 A そんなの、日本では、当たり前に思うんだけど?

34 B ヨーロッパの多くの国では、国立バレエダンスカンパニーが、必ずと言っていい程、あります。振付家もダンサーも、国からお金をもらってダンスだけで生活できるシステムがあるのです。バレエだけでなく、コンテンポラリーダンスでもそれはあります。例えばフランスでは、国立振付けセンターが20箇所あり、各センターでは、コンテンポラリーダンスの振付家が、芸術監督として活動しています。

35 A ふううん。そうなんだ。日本じゃ考えられないな。1つのカンパニーで踊るだけで、生活できるなんて。大体のダンサーは、いろんなところで踊ったり、クラスを教えたり、他にバイトしたりしながら、踊ってるから。

36 B 日本でも、フルタイム行政支援のコンテンポラリーダンスカンパニーは存在します。現存しているのは、2004年に発足の、新潟の劇場を拠点とした金森嬢のnoismだけですが。
→noismの振り

37 A ヨーロッパでは、そういう公立劇場の専属カンパニーが70−80年代、つまり20ー30年前から始まっているんでしょ。日本と比べると、すごい差だね。

38 B もちろん、小さなカンパニーもありますが。で、NDTは、最初は財政なんだし、なかなかふるわなかったんすが、70年代になってようやく、新しく入った、チェコ、プラハ出身のイリ(イジー/イルジー)・キリアンが振付を始め、才覚を現して、すっかり有名カンパニーにのし上げたわけです。彼は、グラハムテクニックとバレエを学んだ後、イギリスのロイヤルバレエを出た人。言ってみれば現代バレエというか、バレエを基礎テクニックとしたモダンダンス作品ですかね。
→NDTの振り

39 A バレエからはみ出して生まれたモダンダンスが、今度はバレエを呼び寄せちゃうわけですね。面白いね。

40 B はみ出した、といえば、日本でも、1959年に土方巽という人が、大野一雄らと一緒に、モダンダンスや現代舞踊からはみ出し、舞踏という名のジャンルを自ら作り、異色の作品を発表し始めました。

41 A 日本では、戦後、ドイツのウィグマンに習った先生が、モダンダンスを教え、現代舞踊協会を作っていったらしいね。そこからからはみ出て来た舞踏には、アンチ・モダンダンス、アンチ・西洋、という意識があったんだって。なのに今では、西洋で舞踏の評価が高いんだから、面白いよね。舞踏って例えば、背骨をすっと伸ばして踊るバレエや、モダンダンスと違って、こんな風にグロテスクな奇妙さで動いたりする。
→舞踏の振り

42 B 少し飛びますが70年代はアメリカで、コンタクトインプロビゼーションという流れも出て来ます。

43 A 相手の身体を利用して動く接触型ダンス、パートナリングダンスだよね。
→コンタクトの動き

44 B アメリカからヨーロッパへ渡って成功した初代と、ヨーロッパからアメリカへ渡って学校を作った次世代が、3代目のグラハムを生んで、グラハムを学んだ第4世代が再びヨーロッパへ戻り、花開くのが70年代80年代でもあります。

45 A これって、2つの大陸移動というハイブリッドだよね。

46 B そこには、日本でも有名な、ピナ・バウシュもいる。彼女もNYで学んでドイツのウッパタール舞踊団に入って、振付で有名になった1人です。この人の世界観は、グラハムやウィグマンのように、内面の感情みたいなのが沸き上がって来る感じします。
→ピナバウシュの動き

47 A それ以外のハイブリッドとしては、バレエテクニックとラバンの空間分析の応用を使って、自己流の動きのシステムを作っていった、ウィリアム・フォーサイス。彼は、外からのアプローチで身体を動かしてる感じ。しかも、複雑で面白い。身体的な法則性とか。
→フォーサイスの9ポイント

48 B 80年90年になって、カナダでも、コンテンポラリーダンスカンパニーができて来て、例えば、こんなのとか
→ラララの動き

49 A エドワード・ロックのラララ・ヒューマンステップスだ!

50 B あるいは、こんなのとか。
→マリーシュイナールの動き

50 A マリー・シュイナール!

51 B 他には、映像技術が普及して、ビデオダンス作品を積極的に作るカンパニーも出て来ます。ベルギーでは、ブリュッセルの王立劇場カンパニーのローザス。

52 A 昔の学校みたいな雰囲気のある大きな建物の中で、女性が、スカートにシューズで、カッコ良く踊ってるやつだよね。時代を反映した、フィジカルでカッコ良い、女性らしさが表現されていると思った。
→ローザスの振り

53 B フランスでも、サーカスの技術とモダンダンスのハイブリッドでもある、フィリップ・デュクフレ。

54 A デュクフレって、フランスのアルベールビルオリンピックの、開会式の振付した人でしょ? 
→デュクフレの振りあるいは映像

55 B フィジカルシアターですが、イギリスのDV8とか。

56 A DV8は体操出身で、アクロバティックで演劇性のある動きをする人達だよね。
→DV8の動きあるいは映像

57 B 日本人のグループの、ダムタイプは、劇場全体に映像を映写したりしました。こちらは、沢山の分野ハイブリッド。京都の芸術大学の建築,美術、デザイン,音楽、いろいろな分野の学生達が集まってできた集団。メディアアートっちゅうの。彼らはフランスで評価されて、ヨーロッパで有名になったことで、日本に逆輸入されたという経緯がある。

→ダムタイプの音?あるいは映像

58 A 2国間ハイブリッドだね。他には、舞踏の山海塾とか、マイムからダンスに入っていった、勅使河原三郎とかも、最初にヨーロッパで評価されたんだって。評価のハイブリッドっていえるのかな? なんか、モダンダンスやコンテンポラリーダンスって、ハイブリッドの繰り返しでもあるんだね。でも、どの時点から、コンテンポラリーダンスと呼ばれるようになったわけ?

59 B 20世紀始めに起きたモダンダンス、その後はポストモダンダンス、ヌーベルダンスなどと呼ばれながら、常に今までにない、自分流の、新しい表現方法を探し続けているうちに、いつの間にか、そう、たぶん80年代90年代位から、中でも新しい時代の匂いのするダンスのことを特に、「コンテンポラリーダンス」と呼ぶようになり、呼ばれるようになった、と言えます。

60 A 音楽でも美術でも、確かに、アーティストは、勝手に作品を作っているだけで、後からジャンル分けされてくっていうよね。ダンスもそれと一緒なのかな。でも、なんか、こうやって、歴史の流れを聞いてると、10年とか20、少なくとも30年ごとには新しい風潮というか、スタイルが出て来て、呼ばれ方も変わって来てる?

61 B そうかもしれません。自然的に、人生において世代交代していく周期とも合ってるのかも。

62 A で、80年代位から、コンテンポラリーダンスが始まったのだとしたら、今は2008年でしょ。もう30年。

63 B そろそろ、新しいハイブリッドから、新しいダンスが始まって、新しい呼び名でジャンル分けされていく時期でしょうか?

64 A えええ?! コンテンポラリーダンスって何なのか、まだよくわからないうちにっ?  そりゃまずいなあ。いや、別に、それでも良いのかもしれないけど。いやいや、で、さ、結局、「コンテンポラリーダンスって、何?」と、誰かに聞かれた時、なんて説明すればいいわけ?

65 B その前に、ダンスとは、「言葉で説明し切れない人間の心のすき間を埋めてくれる表現芸術のひとつ」
とも言えます。その中で特にコンテンポラリーダンスとは、何ぞやと言うとすれば、「従来のスタイルや、ルールに囚われないで、自分の個性や感性、自分なりの視点や身体能力を、表現作品の中で、自由に駆使し、膨らませていける、なんでもありのダンス」です。

66 A 「なんでもあり」っていうところが、確かに今の時代っぽいかもね。でもさ、ルールや規制がないって、逆に自由過ぎて、どうしていいかわからなくて、困っちゃう。、。、何が面白いか、、はっきりとわかんないような気がするし。第一、よく知らないダンスの世界なのに、自分の感想に自信なんて、持てないよ。

67 B 例えば、面白さとは何でしょう? TVのお笑い的に、笑える面白さというわかりやすい面白さもありますが、実は、人それぞれにおもしろツボは違うのではないでしょうか。

きれいな瞬間とか、気持ち良さとか、身体の動きのカッコ良さとか、逆に得体の知れない奇妙な動きとか、子どもが遊ぶ時のような、ワクワクした解放感とか、何が起こるかわからない不思議さとか、自分の日常や人生と、何かしらリンクして、心にひっかかる瞬間とか。目からウロコの発見とか。それは本当に、人それぞれ。人の数だけ違う、ということはある意味、人生と一緒なんです。

68 A へええ、人生っすか?

69 B 言葉で説明したり、具体的な台詞がない分、自由に、自分勝手に解釈できるのが、ダンスの一番の面白さです。それに、好きも嫌いも、どうしてそう思うのか、自分なりに考えてみたりすると、意外と、自分では気がつかなかった発見が、日常生活や人生につながっていったりもします。人間というものは、自分が普段心の中で、意識していることにまず、注意がいくのですから。その感想を通して、日々無意識に、自分が知っている文化や、社会や、経済や、日常生活、自分の周りの人間関係や、感情なども含めた、多面体の自分と、自由に遭遇できる醍醐味が、ダンスにはあるのです。

70 A それは確かに、そうだね。それに、意味なんかなくても、目の前で、生きてる生身の人間の身体が動くって、それだけで確かに、「コンテンポラリー」の言葉の意味そのものだね。コンテンポラリーの和訳は、「今、まさに起こっている」、「今現在の進行形の」、だったよね。

71 B 最初に戻りましたね。

72 A そう、最初に戻った。で、結局の所、「今、まさに生きてる、命のある身体の動き」が、コンテンポラリーダンスってことなのかな?  コンテンポラリーダンスって何? という質問の答えは、もしかしたら、「今の時代の心のすき間って何?」ということの答えでもあるかもしれないし、、とにかく、自分なりの解釈と言葉で、定義しちゃっても、別にいいわけだよね。

73 B そう、その通りです! 良くできました。 そういう自発的な姿勢が基本です。

74 A 何事も自分任せの自分次第ってことの極みっすね、コンテンポラリーダンス。

TEXT by JOU 2008.5/24

*************
とまあ、取りあえず現時点では以上ですが、専門の皆様、過不足,ご意見アドバイスなどありましたらご指導の程どうぞ宜しくお願い致します。


  1. 2008/05/21(水) 22:04:20|
  2. コンテンポラリーダンス
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コンテンポラリーダンス流通事情

日本のコンテンポラリーダンス流通事情を私なりに整理してみました。
************
踊り手がアーティストとして市場に出回り、
皆さんの目に触れるには
劇場制作者やイベントプロデューサーの目に留まって
彼らの主催するダンス公演に参加できるように
ならなければなりません。

日本で一番手っ取り早く目に触れるには
コンクールやアワードに出場することですが、
実は、その舞台に上がる前には、小さな会場でもなんでも
とにかく、応募できる作品を上演していなければなりません。

あるいは、運が良ければ、自分の営業をしてくれ
尚かつこの業界の人間事情に詳しい駿腕マネージャーが
貴方をきちんとそれなりの公演場所へと押し出してくれるでしょう。
が、、、そんな人いたら、私も出会いたい♪

最初の作品の上演のやり方としては、
1。自腹で会場を借りて自主公演する
2。友人知人、あるいは先生の発表会などに便乗して上演させてもらう
3。チケットノルマ(事前にある枚数のチケットを出演者が買い取るシステム)制の
オムニバスダンス公演(ノンセレクション)に参加する

が、最も一般的な入り口であると言えます。
ノルマ制のオムニバス公演としては、都内では、セッションハウス、STスポット、DANCEPAS、ノマドなどがこれまでダンス作品の入り口を作って来ました。ニブロールが横浜に6月オープンするダンススタジオも、おそらく、この既存のシステムの中に入り新しい場所を提供する、ということになっていくでしょう。

こうして、チケットノルマ制、あるいは参加費分担制のオムニバス公演を経た後は、自らカンパニーを旗揚げし、あとは、とにかく思いつく限りのいろんな財団や企業メセナが募集している公演助成金なんかに応募し続けながら、自分たちで劇場を借りて、公演を続けていく。そんなことが延々と続きます。
新しいところでは、最近、全国ネットワークを急速に広げつつあるJCDN(ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク)の主旨に合った作品であれば、自ら公演企画なぞしなくても、年に1回はの国内循環ダンス公演「踊りに行くぜ」にて上演させてもらえたりもします。でも、ラインナップを見ると、やや地方寄り、かな。関東東京地区の人口密集地域のダンサーにとってはツライ感は拭えません。まあ、JCDNは京都が本拠地だから関西情報に厚いし、国内バランスとろうということもあるのでしょうが。。

特殊なケースとしては、新潟のnoismのような、完全雇用制のダンスカンパニーに所属して踊るとか。
あるいは、これまでも一般的なケースとしては、完全雇用ではありませんが(つまり、それだけで食べてはいけませんが)、カンパニーダンサー募集とかいう時に運良く採用されれば、そのカンパニーが公演する時にいろんな舞台で踊れたりもします。
ただし、こういう公演に参加する場合は、主催者事情により、ギャラが出る場合もありますが、逆にノルマチケット負担がある場合もあります。

踊るということ、もし日本でやっていきたいなら、いろんな人と関わったり、使われたりしつつ、是非一度は、自分らのお金と労力で自主公演なんざ経験してみると、舞台で踊るその足下なんかが見えてきて、いいかもしれません。

こうして整理してみると、明らかに
「生活費どうしてるんだろう?」
という疑問が浮かんで来るような業界状況ですが、
それはまた別の機会に。

現存の日本のコンテンポラリーダンス流通システムって、こんな感じかなあ。
ご存知の皆様、どうでしょう?
過不足あれば、ご指摘下さい。
  1. 2008/05/19(月) 22:33:27|
  2. コンテンポラリーダンス
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プロフィール

odorujou

Author:odorujou
千葉県産踊るハリガネーゼ。虚弱な肉体労働者。フリーランスのコンテンポラリーダンサー&振付家。Odorujou時々主宰。企画好き。週末はひっそりとする東トーキョー暮らしが好き。温泉&グルメツアーはいつでも大好き。日本人で良かった〜雀躍りしてます。

世の中がより愉しく向上するに違いないとの思い込み企画をダンサーの視点から考え始めると止まらない傾向にある。これらのアイディアを実現してくれる仲間、募集中。

制作に興味のある方、お金や場所の使い道で途方に暮れている方、ダンス環境の向上トライアル活動に興味のある方、何か面白いことしたい方、企画アイディア欲しい方、どうぞご連絡をお待ちしております→odorujou@yahoo.co.jp 件名にOdorujou宛表記下さい

また、ダンスを基本とした身体や即興(インプロ)、コミュニケーション、コンテンポラリーダンスなど、様々なアプローチからのクリエイティブなWSは、主催者側の要望に添ってオーダーメイドで作成され、語学力と柔軟な発想力にて随時対応可能。
WS対象は、ダンサーやアーティストはもちろん、ダンス未経験の老若男女、学生、子ども、日本人から外人(英語圏)まで、自分のダンスを踊りたい人、人とのコミュニケーションを楽しみたい人、、どなたでも大丈夫。

ソロパフォーマンス、コラボレーション、グループ作品の上演、振付なども随時対応。

お問い合わせはこちら
OdorujouまたはJOU宛にどうぞ。
odorujou@yahoo.co.jp
http://odorujou.net

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